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INTERVIEW

フェアな会社を作りたい。法律が変わる。職人の働き方が変わる。本気で老号環境改善を試みるクロス工事会社の本音。


国土交通省 関東地方整備局の記者発表内容も一例。働き方改革は今後5年以内
にさらに進む。

建設業界も間もなく週休二日制が当たり前になっていく。

「いやいや、そんなのかなり先のことだろ?」
と思っただろうか?
しかし、国の方針や法整備は着々と進んでいる。

そして、国のルール以前に、
求人情報誌の行った10代・20代・30代を対象にした
就業希望アンケートでは
週休二日制(月に1回以上、必ず週2日の休みがあること)
にこだわって仕事を探す傾向は高く、
もはや当たり前ととらえられ、
完全週休二日制(毎週2日休み)も、
普通の条件と考えている割合が高い。

国のルールや、
現代の若手働き盛りの人材の傾向を嘆くのではなく
現実のものとして理解し、
自社に落とし込むことが必要だ。

「まだ他の会社もやってないし、まだ大丈夫だろ?」
「うちではずっとこうやってきたから」と、
”これまで”に固執していると、
いつの間にか時代に取り残される。
厳しい言い方かもしれない。
しかし、現実を受け止めて前に進むべき転換期は
すでに到来している。
これからではなく、もうすでに到来しているのだ。

今回は、社会保険加入、そし週休二日制にも取り組む
クロス工事会社、株式会社 Y’s Art
代表取締役の竹山裕二氏に話を聞いた。

自身が苦しんだ経験も労働環境の整備を後押ししたそう。
その背景についても教えていただいた。

お話を伺ったのはこちら。
株式会社Y's Art (ワイズアート) TEL:03-6915-3050
東京都内を拠点にクロス工事、エコカラット施工、内装リフォーム工事、インテリアオプション工事を行う。

やり始めは本当にキツかった。。現在の労働条件とは?


まず年間休日の確保に取り組みました。
大型連休や日曜祝日の他に、第1第3週の平日どこかでお休みをとってもらっています。
残業手当、深夜残業手当、休日の出勤には代休の取得。

うちは勤務時間が8時〜5時半の7.5時間なので、
5時半を過ぎたら残業手当を付けています。

顧問の社会保険労務士に言われたのがきっかけで、
会社を経営しているなら労働環境はいずれ整備しなければいけないことで、遅いか早いかですと。

ただ遅くなればなる程、従業員との意見の食い違いが出て難しくなるから、
少人数の時に始めた方が良いと言われました。
特に最近の子の親御さんはその辺をとても厳しく見ています。

内装の仕事は暗くなっても電気をつければできるので、
以前は5時半過ぎたら細かく残業代を付けるということはしていませんでした。
直行直帰が多くタイムカードも作成することができませんでしたが、
今は勤怠管理のアプリがあるのでそれで就業時間を管理しています。

正直、第1第3週の平日休ませることすらも
会社としてはキツいわけですよ。
現場を空けなきゃいけないので。
本当に取り入れるかどうか悩みましたね。

最近は助成金制度を利用する企業が増えていますが、
助成金ありきでそのためだけにやってしまうと、
必ず潰れる会社が出てくるという話も労務士さんから聞いて。

だけどうちみたいに10代の若い子を雇い入れたいのなら
尚更取り入れなきゃいけないと。
これやり始めた最初は本当に苦しかったですよ(笑)。

これまで残業時間などは気にせずに働いていましたから、
はじめの頃は、職人一人あたりで毎月残業時間が50時間くらい普通にあってどんどん固定給にプラスのお金が発生するわけです(笑)

その上、第1第3週は休みで月に22〜23日しか出ないわけなので、しんどいですよね。
例えば平日に休むだけで1つの現場を取れなかったりとか、売上に関わってくるんで。

監督さんにも「すいません、◯日は従業員休みなんで」って言って、僕が行ける場合は行くのですが、
どうしても行けない時は現場を空けなきゃいけないので。
最近は監督さんも「そこまで会社で決めてるのなら仕方ないね」って言ってくれる人もいますね。
今の時代なので。

正直負担は苦しい。それでも断行する理由。

今、大手の現場でも社会保険に加入していない会社はどんどん現場に入れなくなっていっています。
うちみたいな小さい会社は、「よく社会保険に入って苦しくないよね」と言われるんですけど、
それって経営が苦しいから入らないとか、苦しくないから入るとかじゃなくて、
従業員のことを考えられてるかどうかだと思います。

従業員にも話していますが、今、僕の役員報酬はかなり抑えています。
従業員に還元したい分、税理士と話しをして低く設定しています。
僕も”社長”だし、いい車乗りたいし美味しいもの食べたい欲はありますよ。

ただ、今必要な欲とそうじゃない欲があって、
今僕にとって必要な欲は
従業員がこの会社にいたいと思える環境づくりをすることです。
そこをまずは実現して、従業員が喜ぶ顔を見ながら
いい車に乗って美味いものも食おうと思ってます(笑)。
その方が100倍気持ち良い。

僕なんて職人だった時代にボーナスのある会社、社会保険のある会社なんて一度も働いたことありませんでした。
そういうところをちゃんとしないで社長ばっかり高級外車に乗っているとか、当たり前でしたし、今もありますよね。

Y's Artはまずやれる範囲で整えていく。
施工の技術があるのは当たり前で、そういった労働環境の面でも有名になっていきたいですね。

やっと労働環境の整備が整って、会社としてもこの条件が浸透して落ち着いてきました。
これからは、若い人材や、経験者の方、協力業者さんを広く募集して
一緒に仕事をしていく仲間を少しづつ増やしていく予定です。

これまでの働き方からの大転換。自身の経験も理由の一つ

僕は地元の奄美大島から上京してきて、
ずっと塗装の仕事をしていたんですけど、軍隊のように厳しい親方でした。
仕事は間違いない人だったんですけど、
一緒にいると毎日のお酒にも付き合わされ、
挙句の果てには子供の運動会の席取りまでさせられてプライベートが一切なかった(笑)
ストレスが溜まって、胃潰瘍で現場から救急車で搬送されたこともありましたね。

そんなことがあって、
26歳の時に以前から楽しそうだなと思っていた
クロス屋さんに転職したんです。

ところが入社したのが
100人単位で現場に入るような大きな会社で、
「2年で独立」という方針だったので
普通では考えられないですけど
結局1年3ヶ月くらいで独立させられました。

それにも関わらず、その後すぐにリーマンショックが起こりました。

どんどん仕事が無くなり、
例えば毎月5~8棟の現場を任されていたのが2棟しか入れない、そんな状態でした。

そういう仕事がない時って、
人間は足を引っ張り合うんだとその時学びましたね。
仲の良かった人からも散々なことを言われ、金銭トラブルにも見舞われて家賃も払えず生活できなくなっていきました。
ガスも電気も止められて、毎日水風呂で。

そんな時にホームセンターで偶然会った、
塗装業時代の先輩に助けられました。

彼はリフォーム会社を立ち上げていて、
そこでBtoBの営業方法から教わって、
工務店も紹介してもらって。

仕事は少しずつ入るようになりました。
ただ、そこで1年3ヶ月で独立してしまった障壁が出てくるんです。

クロスの営業をしてても、それ以外の仕事が来るんですよ。

床ができないかとか、襖、障子の張り物ができないかとか。
やったこと無いって言うと
「それじゃうちではちょっとキツいな」って断られてしまう。

「…あぁ、そういうことか…」と。

その時、新築の多棟現場で知り合った他のクロス屋さんにジュース買っていって仲良くなって現場を見させてもらいました。

やったこと無いクロスとかは
全部Youtubeで見て勉強して、
経験のあるクロス屋さんに頭下げて
必死に教えてもらって、
ものすごく悔しい思いも勉強もした時代でしたね。


僕が今年で独立10年目、Y's Artになってから5期目になりますが、
これまでいろんな会社、人を見てきたので

自分の会社はフェアに気持ちよく働いてもらえる場所にしたいんです。

苦しい時代を経験して、今どんなことを大切にしているのか?

当たり前のことを当たり前にやることですね。

例えば僕たちはお客さんの財産に入って仕事をするので外の靴のまま中には入りません。

いくらフローリングの養生をしているとは言え、
やっぱりお客さんが土日に見に来た時に泥だらけだったら嫌じゃないですか。
だから当たり前のことなんですが、それを当たり前にできているか、
お客さんが来た時にはすぐに挨拶ができるか。
そういうところを重要視しています。


会社内には、従業員の方々とともに掲げる目標や、あり方が貼り出されている。

技術は正直あって当たり前だと思ってますし、
そこは本当に寝る間を惜しんでやってきたので。

僕はいつも必ず“仕事にプラスアルファを考えて”って
言ってるんですけど、
ただ単にクロス貼るだけじゃなくて
靴は綺麗に並べようとか、
自分の施工範囲じゃなくても
自分が関わってる現場で汚れてたら掃除しようとか。
そういう何かプラスアルファを持ってないと
生き残れない時代だと思うんで。

10代の子が入ってきたらまず挨拶から教えています。

あとは整理整頓ですね。
綺麗にする仕事なのに、現場が散らかっていて気にならないんだったら
クロスの張り方も汚くなります。
お客さんは何十年のローンを組んで一生物の買い物なわけじゃないですか。
内装で言えば9割がクロスなんで、自分の家だと思って仕事しろって言ってますね。
家が汚いクロスの張り方されてたら、自分だったら買うか?と。

今、特にオリンピックまでは
仕事の需要はすごくあるって言われてて、
にわか職人でも仕事がある時代なんですよ。

僕は逆に仕事が無い時代で独立してる分、
やっぱりそういう人達に負けたくないんです。
プロの意地を見せなきゃいけない時なんですよ。
そのプラスアルファを常に皆で考えることが、
この仕事をマンネリ化させないことにも
つながっていくと思ってます。

竹山さん、ありがとうございました!

お話の中で見えてくるのは、竹山さんは現実主義ということ。
かといって、夢やプロとしてのこだわりも忘れない。
今、何が必要か、何が求められているか、
例えばそれが会社経営にとって大きな賭けやリスクであっても目を背けない。
現実を把握した上で、その上に自分の理想を組み立てていく。
自分の腹が痛んでも労働環境を改革して、次世代に合った会社の土台を整えた。

仕事とプライベートのバランスを求め始めた若い世代。
整備のない会社と、
整備された会社のどちらを選びたいか、
この差は、
今後よりはっきりと人材定着の結果となって現れるだろう。

時代の流れは誰にも止められない。
時代に流されるのか、その波を乗りこなすのか、
いま、経営者の判断と覚悟が試されている。

所在地: 東京都新宿区中落合1-2-14 ベゼクリク落合1階
TEL:03-6915-3050 /FAX:03-6915-3086
会社ホームページ:http://www.homemake.co.jp/
事業内容:クロス工事全般、エコカラット工事全般、内装リフォーム工事全般、インテリアオプション事業
人材採用も幅広く募集中です。詳しくはこちらからどうぞ!

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