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INTERVIEW

新しい視点で業界を拓く!総合人材サービスのイマジンプラス社がホワイトカラー定年後の道を建設業に切り拓く

インテリガテンを育むプロジェクト 匠アカデミージャパンとは?

皆さんは「匠アカデミージャパン」という学校をご存知だろうか?
職人養成学校と言えば、職人養成学校なのだが、
同校の特色はそのメインターゲットが中高年・シニア層である点だ。
一般企業でビジネスマンとして働いてきた方々が定年後の人生を内装リノベーションなど
ものづくりを通して心豊かに生涯現役で仕事をするための学舎なのだ。
現役の職人らが講師として参加し、現場で培った技術を生徒たちに伝えている。
内装のリノベーションであれば、新築に比べれば重労働は少ないため、
中高年の方も技術を習得し、内装職人「リノベーター」として社会に参加できるのだ。

この取り組みを行う匠アカデミージャパン理事長の笹川祐子氏へ今回はインタビューを行った。



株式会社イマジンプラス / 株式会社イマジンネクスト
代表取締役社長 笹川祐子氏
人材教育、総合人材サービス、教育研修事業、求人サイト運営を全国展開
匠アカデミージャパン理事長

記者ー 匠アカデミージャパンを始めようと思ったきっかけは何だったんですか?

笹川氏ー 少子高齢化が進むいま、労働力人口はどんどん減っていて、シニア層の雇用確保が社会問題となっていますよね。人材派遣会社においても高齢の求職者さんが増え続けてますし、これからはシニアだな、と。
40代50代の人達、もしくは定年を迎えた後も生き生きと働ける場所を提供したいと考えていた所に、これから職人を育てたいという50代の男性たちと出会ったんです。

実は事業コンセプトを描いていたのは金融出身の実業家でした。
もう一人は大手出版社に長年勤務し、会社できっちりマネージメントをやってきた人でした。55歳で定年後の人生を考え始め、65歳までこの会社にいるのは難しいしこれから何かをやるのであれば、

「定年がない仕事・今までやったことがないこと・社会のお役に立てること」
これらの条件に叶う仕事はないかと探し、会社の早期退職プログラムを受け入れ植木屋さんになるべく職業訓練校に通ったのだそうです。


実際の現場で実習を行っている様子


第二種電気工事士 試験対策講座などコースは様々に用意されています

その彼に大工もやってみないかと匠プロジェクトに誘い、
去年1年間大工の棟梁の元に見習いで通ってもらって、
今ではうちのワークショップの講師を務めています。

弟子入りさせてもらった大工の親方が言っていたのは
「若い人だと3年かかるところを、匠アカデミー受講生のビジネスマンは理解が早い」ということでした。

私達はそういった知的好奇心が旺盛で、想像力に溢れた技能者達を
「インテリガテン」と呼んでいます。

AIには真似の出来ない知恵と技術を持って、
はた楽(周りを楽にする)ことで社会に貢献しようと思っているのです。

65歳以上で、生き生きしている人の割合は15〜20%と言われています。やることが無い、行くところが無ければどんどん萎んでいき引きこもるようになってしまう。

定年後の人生だって60になってから考え始めたら遅くありませんか?
であれば定年後の人生を40代50代から準備しましょうと。

建設業界の中で言えば、これから新築の需要は減り中古のリフォーム・リノベーションが盛んになると思います。
新築であれば高所作業もあるでしょうが、中古住宅なら内装でいい。
それなら中高年の方も活躍できると思うんですね。
定年後の人生を生き生きと過ごすための道筋を提案するのが、匠アカデミージャパンの役割です。

ー具体的にどんなプログラムなのですか?

匠アカデミージャパンでは、住宅の内装リノベーションを中心に1日単位のワークショップや、
週1、2回の通学コースをご用意しています。
座学は平日の夜、実習は週末の昼間に開催し、お仕事をされている方でも負担なく通えるように設定しました。
講師陣には、大工や現場の職人であるプロの方々をお招きし、
建築の知・技・体に関する全てのことを、各分野のスペシャリストから学ぶことができます。

最近では、外国人の生徒さんも続々と増えていて、
クロスのワークショップなんかだと半数が外国人の方ということも珍しくありません。
先日、リフォーム女子会でも講演させて頂きましたが、これまでの異なる業種での経験や趣味で磨かれたセンスとリフォームの融合には非常に可能性を感じています。
例えば私はワイン好きなので、リフォーム女子×ソムリエとか。
ワインパーティーの会場リフォームなんか、良い物作れると思いますよ。
そういう全然関係ない自分の趣味・関心・知見・人脈・スキルがプラスになっていく時代だと思います。
ぜひ女性の方にも匠アカデミージャパンに体験しに来てもらいたいですね!

「同じ人間に生まれてきて、どうして人は違うのか」

「定年」
一人親方の多い建設業界では馴染みの少ない言葉かもしれない。
昨年発表された総務省の統計によると、
日本の総人口に対する65歳以上の割合は約27%で年々右肩上がりに過去最高の数値。
4月に出版された楠木新 著「定年後」のベストセラー入りは、人々の募る不安の表れとも取れる。

そんな中、開校した「70-80年働く時代のセカンドキャリア」のための匠アカデミージャパン。
この学校を運営する笹川さんご自身のことについても少しだけ教えていただいた。

記)ーパワフルにご活躍されている笹川さん。小さな頃からやはり活発だったんでしょうか?

笹) 子供の頃、私は身体が弱く学校にはなかなか行けなかったんです。勉強は家でして、教科書が終わると先生からまた次の教科書をもらい、入退院を繰り返しながら本ばかり読んでいた。
また、周りの大人たちの話をよく聞く子でしたね。
私の人生の根本にあるのは
「同じ人間に生まれてきてどうして人は違うんだろう」
という疑問です。
病院でも沢山お見舞に来る人もいれば、誰も来ない人もいるということに気付いきました。同じ人間に生まれてきて、お金持ちもいればそうじゃない人もいる、お金持ちでも幸せな人とそうじゃない人がいる、どうしてだろうとよく空想していたんです。

それが影響し、高校大学では哲学書とか宗教書とか色々と読むようになり大学生活は結構アクティブでした。
アルバイト先に行けば「社長どうやって成功したんですか」とかよくインタビューして。
その頃からやっぱり心豊かに成功して社会に貢献する、人の役に立つ人間になっていきたいなと思っていましたね。

記)ー仕事での転機はいつ、どんなものでしたか?

笹) 転機は、20代半ばでワープロパソコンスクールに入社した時です。
創業間もないベンチャー企業に入社し、5年間で会社がどんどん成長していきました。
北海道から東京へも進出する中で、いわゆる営業企画・広報マーケティング・マネージメント・総務経理の管理部門もやって、最後は社長と資金繰りまで経験し、経営に必要なことを学ばせてもらいました。

決算書や財務諸表が読めるようになろうと27〜8歳で
簿記の資格を取ったことが社長と一緒に資金繰りをやった時にすっごく生きましたね。 
今で言うキャッシュフロー経営を叩き込まれたんですよ。
「いいか笹川、キャッシュさえあったら会社は潰れないんだ」って言うことを。

後に東京の会社へ移り、そこでOAデモンストレーター(展示会などで製品の紹介をする仕事)の人材派遣事業を立ち上げました。その7年後に今度は自分がオーナーとなる会社を立ち上げ、独立させてもらいました。
やっぱり20代で叩き込まれたことが本当に良かったですよね。

お陰で我が社は創業21年目になりますが、創業20年間ずっと「税引き後黒字」を達成してきています。

記)ーこれまでのご経験から「どうして人は違うのか?」の答えは出たんでしょうか?

笹) 自分が出会った人達に聞くわけです。社長はどうやって成功されたんですかと。
そうやって皆の話を聞くうちにやっぱり運命っていうものはあるんだ、自分で引き寄せ自分で切り開いて行くんだとわかったんです。
なので、自分でも運気を下げるような事はしないようにしようと、日々思っているんですよね。
開運の法則っていうのは一般的にあって、例えば不平不満を言わないとか人の悪口を言わないとか、ネガティブにならないってこと。批判だけして口だけで何もしないとか。
何でも自分の鏡だから。
やっぱり相手が悪いってことはこっちも悪いんですよ。
例えばよく社長でね、「うちの社員は働かない」って言う人がいますけど、それは社長がそういう人だからそういう人しか集まらないんでしょうし。
社員にも役職者にも「ありがとう、こんな社長のために頑張ってくれてありがとう」という気持ちを持てば、良い人材に育ち頑張ってくれると思いますよ。

経営者が向上心や夢を持つことが人材育成の鍵

記)ー 人材業界のスペシャリストとしてのご意見を伺いたいのですが。
建設業界は人材不足もそうですが、育成に悩まれている経営者も多く、そういった方々に対して笹川さんから
何かアドバイスはありますか?

笹) あまり偉そうなことは言えませんが、経営者には夢と希望を持って若い人の育成教育をしてもらいたい、と思います。
若い人の育成というのは、本当に国のため未来のためなんですよね。会社の将来だけじゃなく、日本の将来のための人材を作るんだという位の大きな気持ちを持てるといいですよね。
そのためには建設業の現場にいる社長も高い志やモチベーションを持たないといけない。
人間て、なんとか食えれば向上心が無くなるわけですよ。
仕事も来てお金が回れば野心も無くなってしまう。
諸先輩方からは、”そこからどうするか!”、というところが一番大事だと教わってきました。
もっと大きい所を見て「あ〜、自分の会社ももっとこういう風に大きくしていこう」とか、そういった意識を常に持ち続けることが自分のため、会社のために大切ですよね。

記)ーその向上心を保つためのアドバイスはありますか?

笹) それは異業種から勉強することですね。異業種とか自分よりすごい人達をいつも見ていれば。
人間てね、7〜8割は保守系だから居心地のいい場所にいたいんですよ。
自分の行きつけのお店だったり年齢の近い人、社内の人とか、付き合うところは自分が楽ちんな所なんですよね。
そこからアウェイというか、自分が下っ端になるようなところに行くっていうのは
緊張感もあるし大変なことなわけですよ、恥をかくこともあるかもしれないし。
男の人の中には会社では社長!棟梁!って言われて、外行ったってチヤホヤしてくれる所にしか行かない人もいるかもしれませんよね。

私だってね、知ってる所に行くと皆チヤホヤしてくれるわけですよ。
「笹川さん」「笹川社長」ってね。
でもそれは私を知ってるから皆チヤホヤしてくれるのであって、
私を知らない人からしたら、ただのおばさんになるわけですよ。
知らない所に行って、「あー、自分ってこんなもんなんだな」って思うことって、大事だと思うんですよね。
やっぱりアウェイに行く。経営者自らが高いものを求めていくこと。
それから謙虚に教わる姿勢を大切に、全く業界の違う人たちに自分の仕事や会社を理解してもらい、そこでも楽しい時間を過ごせること。

私、よく若い人になんでそんなにいつも元気でいられるんですかって言われるんですけど、
私は年齢や性別など関係なく、自分よりできる人、自分よりすごい人、自分にないものを持ってる人となるべくお付き合いするようにしてるから。
そうするといつもね、「私ってイケてないな〜(泣)」って思うわけですよ。
そういうのが向上心に繋がるわけですよ。
それが自分と同じレベルの輪の中にいると、馴れ合いになっちゃう。
すごい人の末席あたりにいて、私って何でイケてないんだって思うと頑張んなきゃっていう気持ちになる。
またそこで私の昔からのクセで考える。
私ってなんで違うんだろうってことを考えて分析する。

今、全てがIOTでインターネットに繋がるから業界の垣根もなくなってきていますよね。
色んな所でコラボするようになってきてる。
新しい他の業界の感覚を持った人がどんどん入ってくる反面、
既存の業界はうかうかしていたら進出され放題になってしまう。
建設業界は東京五輪に向け、正に”これから”という成長業界ですし、
私共も新参者として建設業界に携わる皆様と共に成長していきたいと思っています。

そうなれるように日々学び、日々努力していきます。
私もまだまだやりたいこと、やれることがたくさんあるし、あと25年くらいは現役で頑張っていきたいですね(笑)

記)ー 笹川社長、非常に刺激となるお話どうも有難うございました。
匠アカデミージャパンの活動をこれからも応援させていただきます!

匠アカデミージャパンでは、サポーターを募集しております。

匠アカデミーの事業、社会的意義に賛同・共感いただける方が次第に増えております。法人、個人どちらでも応援いただける方はぜひお声がけください。

建設業で働きながら、人に教える仕事もしてみたいとお考えの方!
あなたの経験をぜひ生かしてください。

◆ 講師(建築技術関連) ◆ 技術、職人

匠アカデミージャパンにて使用する資材や講習に利用できる物件をお持ちの方
◆ 資材提供  ◆ 物件提供(実習の場所)

他にも匠アカデミージャパンに興味を持ってご協力いただける方
◆ メディア  ◆ スポンサー  ◆ インターン生の受け入れ
◆ 匠アカデミージャパン卒業生の就職先候補 他

※サポーターの方は、匠アカデミージャパンのワークショップや公開講座に無料でご参加いただけます。

(文・インタビュー/黒田実緒)

建設ビレッジ編集後記

インタビュー時にイマジンプラス社の企業理念などを見せていただいたのですが、社員心得10カ条は笹川社長がこれまで出会われた、素敵に成功されている方々から教わってきたことを盛り込んだそう。
笹川社長自身がこの10カ条を実践されていらっしゃり、とても勉強になったので、こちらもぜひご覧ください。

匠アカデミージャパンの取り組みで生かされるのはホワイトカラーのシニア層だけではないと建設ビレッジでは感じています。
すでに職人として仕事をしている建設業界の技能者たちが年齢を重ねたあと、現場仕事から離れ、自身の知識・経験を「講師」として生かす道が拓かれたのです。
日本の職人が持つ高い技術は世界中で求められるものです。
そのことを職人自身が奢りなく自覚し、労働力としてだけでなく、知識や経験を伝える側として働く道があることを匠アカデミージャパンの活動は示しています。
職人のみなさん!!あなたの持つ経験や技術が社会に求められています。その知識をぜひここで生かしてみてはいかがでしょうか。

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