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INTERVIEW

「職人の仕事」とは。妥協を許さない男の流儀。株式会社小林工業小林達也

家のエントランス、テラス、カーポート。
そこは個人の好みや趣味がぎゅっと詰まった、
建物の外観を司る箇所である。
一番人目に付く外構・エクステリアの工事を手掛ける、
株式会社小林工業は埼玉県幸手市に本社を置き、
仕事の質にはひときわこだわりを持つ。

代表取締役を務める小林達也(31)は
いつ見られても恥ずかしくない仕事を常に心掛け、
仕上がりはもちろんだが、
道具一つ取ってもその扱いや片付け方にはうるさい。
まさに職人気質の小林だが、
ひょんなことを機にこの業種に足を踏み入れる。

 

それは小林が20歳の時、町の銭湯での出会い。

風呂に入っていると、突然一人の男に話しかけられた。
腕や肩を触られ、
「兄ちゃん良い身体してるな、うちにバイトに来ないか」と
いきなり勧誘を受けた。
一見危ない人にも思えるその変わった男こそが、
小林をこの世界に引き込んだ外構屋の社長だ。

それも絶妙なタイミングで、
それまで勤めていた塗装屋が倒産したのを知っていたかのようだった。

 

2週間という期限付きのアルバイトを始めることにした小林が、
一番初めについた現場はショッピングモール。

夜間にしか作業ができない現場は初めてのこと。
身体にはかなり堪えたが、
「2週間の辛抱だ」と割り切ってこなしていった。


しかし、現場が終わるとまた次の現場へ、
そしてまた次へと止まることなく振られる仕事。
気がついた時には3ヶ月が経過し、
毎月決まった日に給料袋を受け取っていた。

最初から、ちょっと変わった社長だとは思っていたが、
まさか自分が知らぬ間にその会社の社員になっていたとは思いもよらなかった。
今まで我慢していたものがプツリと切れた。

「やめたい…」

体力のある小林だからできたようなものだが、
この頃の仕事は通常では考えられないほどハードなものだった。
毎日スコップを渡され、現場の土を掘らされる日々。
8tトラックが一日で満杯になった。
それも小林一人の作業でだ。
来る日も来る日もスコップで土を掘っては砂利を敷いていく。
楽しさとはかけ離れた仕事に痺れを切らし、
生活をともにする今の妻に相談を持ちかけた。

 

「この仕事やめようと思う」

帰ってきた返事は即答だった。

「やめれば?」

 


その一言が後の小林の人生に大きな影響を与えたことは間違いない。
簡単そうに言う彼女のその言葉が、
小林の負けず嫌いな性格に火を付けた。

「何にもわかってねぇ、見てろ、やってやるよ」

言ったからにはやる、二言は無い。それが男であり、小林の性格だ。
彼女もその性格をよく理解していたのだろう。
後に引けなくなった以上、その道を極めるしかなくなった。


しかしそれも一年続けてみると、
嫌だった自分の気持ちとは裏腹に、
道具を使うコツや
固い地面でも掘り起こせる技術は着々と身についていった。
重機は使わせてもらえず、あくまでも手作業。
今となれば、社長があえて重機を使わせなかった理由もわかる。
外構屋に必要な基本的な作業を体で覚えさせたかったのだ。
信じられないが、
一年もすれば8tの土を掘り起こすことも半日で出来るようになっていた。
体と技術もそうだが、根性も鍛えられた。

 

外構屋の仕事は家のエントランスや建物周辺を演出する。
お客様の好みによって異なる多彩な工程がある。
基本の作業を身につけてからは、
任される仕事の幅が広がり現場に行くのが楽しかった。
時間と共に仕事の捉え方は変化する。
3年という月日もあっという間に過ぎた。

 

そうして小林が仕事に夢中になっている頃、
人伝いにある話が舞い込んでくる。
とある外構屋の社長が、案件を振れる先がなく頭を抱えているという。

「うちの会社から仕事を振るから、独立してやってみたらどうだ。」

当時結婚したばかりだった小林だが、
この話を聞き一瞬の迷いもなく独立を決心した。
辛い修行の先で得た自分の技術と仕事の綺麗さには自信があった。

 

 

家族の猛反対を押し切り、
24歳の若さで貯金の全てを準備資金に充てた。

ここでも妻から告げられた
「1ヶ月で上手く行かなければ離婚」
という約束の元、
どうにか使い古しのボロボロの道具をネットで安く買い揃えた。

話を持ちかけてきた1社だけでは
食いつないでいくことは難しく、
これまで関係のあった先輩達から
手伝える仕事は全て振ってもらい、
独立後最初の一年は昼食を取ることすら忘れ
朝から晩まで働き続けた。
離婚の危機は乗り越えられたが
消えない不安は内に隠し、
体重はみるみるうちに減った。

   

しかし、小林はどんなに苦境だろうと絶対に仕事への妥協はしない。
自分以外の誰かに協力してもらうときでもそれは変わらない。
それこそが独立を決心した時の柱となるコンセプトだ。

ちゃんとした仕事が出来る職人は
10人中2人くらいのものだと話す小林は、
これまで様々な業者を見てきた。

道具が散らかっていても平気な業者、
掃除ができない業者、
周辺に飛び散ったコンクリートをそのままにする業者。

こういった業者と自分の仕事を一括りにされたくなかった。
数ある外構屋の中でも、

「質」に関してだけは絶対に差をつける。

質が良ければ結果は必ずついてくる。
そう思って続けてきた。

 

自分の信念を貫き、家族からの信頼も得た一年後、
小林の背中に追風が吹く。

前の会社で共に働いた腕利きの職人が、
小林と一緒に仕事がしたいと言ってきた。
互いを認め合える関係性、
これ以上の安心はない。

それからは
営業にも身が入るようになり、
職人の言葉使いしか知らなかった小林だったが、
顧客からの電話の出方に始まり、
話し方を少しずつ学んでいった。

個人宅での作業は顧客が在宅している場合が多いが、
今何の作業をしているのか、
あとどのくらいで出来上がるのか、
心配させないための会話も欠かさない。


小林のこだわりある仕事に
ついてきてくれる職人も一人、
また一人と増えていき、
2016年、ようやく法人化も果たした。

地元での認知も広がり、
取引先は仕上がりを重視する現場においては、必ず小林に依頼する。
物件を多数扱うハウスメーカーや不動産屋から指名で仕事が来るのだ。
他の業者が施工した現場も、
その後直しが必要な場合には決まって連絡が入るほど
小林工業の技術力は周囲に浸透している。

何があっても曲げない信念は、確かに、顧客まで届いていた。

これから更に営業に注力していくという同社。
事例を豊富に載せたホームページも整備した。
道具の置き方一つから「職人」を育てるこの会社で
今後どんな人材が生まれるのか、
働き手が減少していく今日、その期待は膨らむばかりだ。

(文・インタビュー/黒田実緒)

●目安となる工事単価
(現場の状況によります。お気軽にご相談ください)

スタンダードブロック10cm 1㎡ 5300円〜
ブロックベース 1㎡ 3000円〜
土間コンクリート 1㎡ 4500円~
工事6号砕石敷き 1㎡ 1800円〜(防草シート込み)

株式会社 小林工業
お問合せ:0480-31-7734

業務内容:外構工事、エクステリア工事、解体工事 等
所在地:〒340-0161 埼玉県幸手市大字千塚1903-7
ホームページ:http://kobayashi-kogyo.com/index.html

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