【建設用語大辞典】地業工事業とは?

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【建設用語大辞典】地業工事業とは?

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[2016/09/23]

地業工事業について、施工内容や歴史、国家資格について調べてみました。

地業工事とは(英語表記:基礎工事foundation work)

建造物を安全に支えるため、構造上必要な基礎工事を地盤に施す工事を地業工事といいます。

すでに地盤面が頑丈で、地盤自体が建造物を支えることができる状況の場合、地盤面を平らにし、十分締め固めを行って、その上に捨てコンクリートを打ってから建造物を建てていきます。

弱い地盤の場合、杭地業と言って杭を打ち込んだり、ピアと呼ぶ柱状の建造物やケーソンなどが用いられます。

 

(地業工事の施工方法・専門用語解説)

 

■既製コンクリート杭工事

既製コンクリート杭(大まかに言うと工場にて製造された円筒形の鉄筋コンクリートのこと)を回転圧入やハンマーで地盤に向けて打ち込む工事のことです。

既製コンクリート杭は、地盤と構造物とを繋ぎ支える非常に重要な部分となるため、杭そのものも高強度なものが求められます。

既製コンクリート杭にも製造方法や、使用される場所に合わせて製造されるものなど色々あります。そのすべてに共通するのが、遠心力を利用してコンクリートを締め固め、コンクリート中の余剰水を脱水させている点です。

・PHC杭(遠心力で成形した高強度プレストレストコンクリート杭)

・PRC杭(遠心力で成形した高強度プレストレスト鉄筋コンクリート杭)

・SC杭(遠心力で成形した外殻鋼管付きコンクリート杭)

他にも杭に種類はありますが、最近は主に上記3つが使用されています。

※プレストレスト(引張力をかけた状態の鉄筋・PC鋼線に、生コンクリートを投入して、コンクリートが固まったところで型枠を外して圧縮力をかけるもの)

 

地業工事 既成コンクリート杭

 

長い杭の場合、トラックなどで運ぶことができないため、一定の長さに製造して継手金具加工をします。

現場で継手を接続して一本の長い杭にして打設します。

 

既製コンクリート杭工事の場合、工法がいくつかあります。

下記の工法について、詳しくは別記事でご紹介します。

 

>打撃系

・打撃工法

・プレボーリング打撃工法

・中堀り打撃工法

 

>埋込み系 プレボーリング根固め

ベーシック工法

セメントミルク工法

アトラス工法

ジオミキシング工法

ハイエフビー工法

 

>埋込み系 プレボーリング拡大根固め

NEWニーディング工法

HBM工法

ローデックス工法

ハイパーメガ工法

 

>埋込み系 中堀り工法

ナックス工法

ハイパーナックス工法

TAIP工法

 

■場所打ちコンクリート杭工事

場所打コンクリート杭工事は、上記の既成コンクリート杭に対して、現場で掘削したボーリング孔にコンクリートを打設する杭工事のことです。(現場造成杭や現場打ち杭とも呼ばれます。)

場所打ちコンクリート工事は、大きく2つに分類されます。

・機械掘削

・人力掘削

人力掘削の場合は深礎(しんそう)工法が主ですが、

機械掘削については、さらに掘削方法がいくつかあります(近年主流なのが4つです。他にも方法はあり)。

機械掘削の工法・・

・アースドリル工法

・リバースサーキュレーションドリル工法

・オールケーシング工法

・BH工法

 

■特殊杭打ち

平坦な場所や安定した土壌ではなく、傾斜地や、狭い土地、地盤条件に制限があるために通常の杭打ちが難しい場所での杭打ち工事のことです。

特殊杭打ちには下記があります。

・低空頭特殊杭打ち工法

・クローラオーガ工法(二軸同軸)

・ミニクレーンオーガ工法

・アルファーシステム工法

 

■杭頭処理

杭頭とは杭の頂部(地中から頭を出している部分)をさします。

杭頭処理とは簡単に言うと、杭頭のもろいコンクリート部分を除去する処理のことです。

地業工事 杭頭処理

 

■法面保護

地滑りや斜面崩壊などの土砂災害の拡大防止を目的に施される工事のひとつで、整形された法面を安定強化させ浸食を防ぐ工事のことを法面保護といいます。

モルタルや客土を吹き付ける。

植生マットなどを張り付ける。

草止めをする。

以上のように手法がさまざまあります。

また、斜面上の不要な土砂を自然、人工問わず撤去、整形する工事を法切工といいます。

これは、地山掘削工事の一環として行われます。

さらには斜面に土留を設置して崩壊を防ぐ「土留工」や法面がしばしば緑化される「緑化」などが挙げられます。

 

■割石地業

割石とは石の割肌を愛でることから、自然の状態であるままの石ではなくある決まった大きさに石を割って使うことを割石地業といいます。

瘤出しなどの仕上げ法で割られた表面は凹凸を楽しむもので、20~30センチの大きさに割った石を言います。

機械ではなく手作業のため、大変野趣と変化に富んだ表情を見せてくれます。

割ったままだと納まりが良い石がなかなか出ないということから、割ったあとで少し手を加えて仕上げとします。

小端立てといって、凸部を上に向けて立たせて)並べたら隙間に目潰し砂利を撒いてその上から突き固めていきます。

その後、ランマーという機械でしっかりと圧していきます。

石をまた、15センチ程度の石のことは、栗石(ぐりいし)や栗(ぐり)と呼びます。

大概硬い石を使用します。握り拳ぐらいの大きさの割石を敷き並べて目潰しを入れて転圧して作った地盤を割石地業と言います。

 

■防湿

地盤をしっかりと転圧した後には防湿シート敷いて基礎底盤部分を覆います。

これは、地面から上がってくる湿気を防ぐためのシートです。

シートとシートを何枚も重ねて敷いていき、破れて隙間が出来ることを防ぎます。

 

■断熱工事

熱の伝導を防ぐために用いられる断熱材(無機繊維系、発砲プラスティック系、木質繊維系)によって断熱措置や日射遮蔽の措置をとる工事を断熱工事といいます。

断熱工事には、大きく内断熱工法と外断熱工法があります。

内断熱工法は、外壁や床下、天井裏に断熱材を設置して室内を包み込む断熱工事のことです。

また、外断熱工法とは、柱の外側の壁、基礎面、屋根面などに断熱材を設置し、室内や小屋裏、床下を包み込む断熱工事をさします。

それぞれ、内断熱工法は「充鎮断熱工法」、外断熱工法とは「外張り断熱工法」とも言われています。

 

施工内容・方法

地業工事の流れは以下の通りです。

・根伐り(掘削)

・割栗石を敷き詰める

・転圧

・砕石を敷き詰める

・転圧

・防湿シートを敷き詰める

・基礎底盤の背筋を行う

・捨てコンクリートを打つ

 

歴史・成り立ち

古くは天皇陵や遷都、治水や開発、開拓、戦闘、城壁造などが地業工事含む土工の職域でした。または土方と呼ばれました。これらの名称は時代の変遷で変わってきています。

建設の際の地固め、地均など基礎工事を地業と呼び、これら建設業では杭工事を加える場合が一般的です。

地業工事、土工事はもともと建築業や第一次産業に従事する者が行っていました。

江戸時代には、新たな技術者の集まりとして土工が江戸太平記に多くなります。

戦国時代から続く築城土木の技術者たちが曳家に転業し、このころから建築業と土木業の区分が出来始めました。

主な土木業が埋立地造成であったことから土手人足とも呼ばれました。

そこから、この継承として土手人足方、土手方、土方などとの略称になったと考えられます。

土方による埋め立て地は、町奉行や寺社奉行いずれの管轄にならない新たな土地となりました。

この時代の埋め立て事業は大事な政策、産業経済であり、これらに関連する職業や商業従事者が次第に増え、移り住み町が形成されるようになります。

明治時代になると、宮内省で土木工事を担う人たちを土工司と呼ばれるようになります。

現在では、建設業で土工が正式名称になり土を動かす職業や事業従事者全般を指します。

 

施工価格帯

基礎工事には、それぞれ使用される砕石やコンクリートなどのあらゆる材料に材料費がかかってきます。

その材料費を踏まえたうえで実際の施工費を計算していきます。

基本的には、直接工事費用と管理費用とに分けられて見積書が作成されます。

直接工事費に管理費を乗せた額を複合単価として計算されるのが主流のようです。

また、建設業者、住宅メーカー、工務店、大工などによって価格発注に差がありますので複数業者の見積もりなどで精査する必要があります併せて公共工事、大型工事などと一般住宅などでは工事価格が変わってくることから官民の差が非常に大きいことも特徴のひとつです。

以下におおよその目安を表示しましょう。

・根伐り(床付けを含む) 単価2,300円/m3

・埋め戻し        単価2,300円/m3

・残土(場外搬出)    単価1,000円/m3

・基礎砕石        単価4,500円/m3

・捨てコン        単価12,500円/m3

・基礎コンクリート    単価15,000円/m3

・鉄筋          単価140円/kg

・型枠          単価3,000~4,200円/m2

・天端均し        単価1,000円/m

・仮設費用(打設足場)  単価300円/m

 

国家資格

大事なのはまずは経験を積むことと、基礎施工士の資格を取得してその後に二級土木管理施工技士の資格取得が望ましいです。

国土交通大臣登録を受けた基礎杭工事に係わる民間試験となり得るものはこの「基礎施工士」検定試験ですから、必須と言えるでしょう。

基礎施工士とは、さまざまな基礎築造におけるさまざまな杭工法や地業工事などの方法の特徴や技術を確実に習得し、作業においては工程の指導力及び管理能力が求められます。

平成27年度より基礎施工に関する専門的技術の充実、拡大を図るためにより高度な能力を保持する技術資格者として「既成杭施工管理技士」を統合した新しい「基礎施工士」資格制度を発足、実施されました。


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