【建設用語大辞典】足場工事業とは?

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【建設用語大辞典】足場工事業とは?

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[2016/07/14]

足場工事業について、施工内容や歴史、国家資格について調べてみました。

足場工事について (英語表記:Construction scaffold)

足場工事とは?

足場工事とは、外壁などの高い箇所(マンションや高いビルなど)の作業用に仮設の足場を設置する工事のことです。

一般的に鋼鉄製の枠組み足場を設置します。

人の手の届かない所での工事には、この足場工事を必ず実施します。

足場工事が完了すると、落下と材料飛散防止のために足場の外側をメッシュシートで覆います。

足場工事には以下の種類があります。

 

足場工事には大きく外部足場・内部足場の2つあります。

 

▼外部足場

外部足場は、①枠組足場、②くさび(ビケ・本足場)足場、③抱き足場・単管足場、④特殊足場といった種類があります。

最近の工事では安全面への配慮などからくさび式足場が増えています。

 

①枠組足場工事(わくぐみあしば)

鋼管の建枠などのように、一定の形に作られた製品を組み立てる足場のことをさします。

建枠、筋かい、布枠、ジャッキベースなど、主材のくさび部分に金具を用いて組み立てていきます。

構造の開発によって、簡単で時短、そして安全性も持ち合わせた画期的な足場です。

部材が軽量であるために、人力で組み立て・解体が可能なため、

作業性に優れ、低中層建築物をはじめとして多くの足場施工現場で採用されています。

枠組足場

 

②くさび足場工事(ビケ足場、本足場、とも言われます。)

くさび足場は、その名前のとおり緊結部(きんけつぶ)にくさびを用いて組み立てる足場のことです。

建物の外壁に沿って、2列建地を組む足場です。(1列で組む足場は一側足場といいます) 

くさび足場は軽量、簡単構造で低層、中層の建築物であればハンマーで打ち込むだけといったように、人力で組み立てることが出来るので低コスト、時短納期が可能となります。

くさび足場を使用出来るのは、地上31メートルまでという取り決めがあります。

工場や倉庫などの建物には、このくさび足場のメリットが最大に適しているために多くの現場において実績を有しています。

くさび式足場

 

単管足場工事(たんかんあしば)、抱き足場。

いわゆる鉄製パイプ(直径48.6mm)を組んでいく足場で、

1本の支柱(建地)を挟んで2本の水平材を固定し、

床板はなく、パイプ自体が作業足場となる足場のことです。

狭い場所などで枠組足場やクサビ足場を組めない場合、

他の足場工事における補助足場として使われることもあります。

クランプというパイプとパイプを繋ぐ金具で足場組みをしていきます。

単管足場であれば、極端に言えば直径48.6mmのパイプ+クランプ分の直径が渡せられれば

足場を組めます(実際にはちゃんと人が作業できるだけの幅は必要ですが)。

職人さんの作業のし易さや、足場を組める自由度の高さがメリットです。

デメリットは足場がパイプだけということで、

かなり不安定で足場からの踏み外し事故には要注意です。

単管足場

 

④特殊足場工事

看板足場、橋梁足場、吊り足場などといったように特殊な足場をさします。

看板や橋梁などで使われるために公共事業やゼネコンや企業など、また看板足場は看板業者や広告代理店などからの発注が主です。

 

外部足場の場合、仮囲い工事も必要です。

■仮囲い工事

木造建築物の工事期間中に、その工事現場の周囲に仮囲いを設けなければならないと法的に定められています。

高さ13m、あるいは軒の高さが9mを超える建物、また木造以外の建築物で2階以上の高さのあるものに対して地盤面から高さ1.8m以上の板塀などの仮囲いを設置しなければいけません。

工事現場の外部との仕切りや交通の遮断や安全、盗難防止などのために設置されます。

 

▼内部足場

内部足場は、脚立足場を使うことが多いですが、天井を張る際には天井足場を設けます。

脚立足場とは、上すぼまりの梯子を組み合わせて自立するようなものを足場として使い、

天井廻りの作業など室内の低い施工場で用いられます。

 

■施工方法

外壁の高い箇所の工事などは、作業者が立つところがなければ何も出来ません。

足場施工することが工事の一番初めの作業となります。

 

足場工事を安全に行うために、

まずは施工場所周囲の清掃、資機材・荷物の移動を手始めに行います。

足場施工環境を整えること、これはとても重要です。

破損・落下・墜落などの事故を防止して、工事を安全で効率的に進めるという点では、一番大事な作業といえます。

 

作業の簡単な流れーーーーーー

地面のレベル調整を行う

足場と組み立てる地面の凸凹、傾斜を水平器などで確認して水平となるよう調整します。

 

地面を平坦化させて脚部を固定

地面を水平・平坦化させたら、脚部が滑ったりしないよう固定します。

  

建地の設置

建地とは、縦方向に組んでいくパイプのことです。

固定された脚部に建地を組んでいきます。

  

手摺の取り付け

建地にクランプ(水平方向のパイプを取り付ける金具)を取り付けて

水平方向にパイプを渡し、レベル調整をしながら手すりを取り付けていきます。

 

ブラケットの取り付け

ブラケットとは足場となる床板と、建地(単管パイプ)を固定する金具のことです。

ボルトを締めて、組み立てます。

 

足場板、またはアンチ取り付け

実際に作業する際に乗る床板を設置します。

足場板は、木製・金属製・アルミ製などの長方形の板です。

アンチとは、アンチスリップメタルという製品名を由来にした略語で、足場板の両端に引っ掛けフックが付いています。

 

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足場倒壊事故防止のために、下記部材も取り付けます。

壁押さえ・・足場は風の影響で非常に揺れやすくなっています。

この揺れを抑えるためのつっかえ棒のような部材です。

直接壁に壁押さえを当てると壁面の傷になってしまうので、壁面と部材の間にクッションを当てるなどの対応も行います。

 

壁繋ぎ・・足場の支柱と、建物の壁とをしっかりとつなぐ金具のことです。

足場パイプに取り付けられた壁繋ぎの部材を、建物の壁に穴を開けて固定します。

(最後に足場を解体する時には、穴の部分は壁面と同色に塗装されたキャップなどで閉じられます。)

 

控え・・地面に杭を斜め方向に打って足場パイプを支える突っ張りのことです。

「やらず」とも呼ばれます。5.5m以内に1か所設置します。

 

火打ち・・足場が前後に揺れるのを防ぐ目的で、

足場最上部の四隅に単菅などを取り付けることです。

最上部の角4隅に、手すりなどの水平部材に単菅を掛け渡して補強します。

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養生

養生とは、工事経過の中ですでに仕上がった箇所を保護するためにカバーを取り付けることを指します。

養生シートや養生ネットと呼ばれるシートを取り付けることで部材を傷つけたり、汚れることを防ぎます。

足場工事に際しても、足場を組み終えた段階で防炎用養生シートを取り付け、施工環境を整えます。

安全と落下、飛散防止の役割も果たすためにコンパネ養生(木製の合板を足場に敷いて固定する方法)や、ラッセル(足場と建物の隙間に張るネット)を付ける場合もあります。

 

:清掃

足場を組み終え、養生シートを取り付けて足場周囲の片づけと安全確認が取れたら、

その周囲の清掃をし足場工事の完了となります。

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■歴史、成り立ち

足場工事は、建築や土木現場では一番最初から最後まで設置され、欠かすことが出来ません。

日本の多くの建築現場では「枠組足場」と「くさび式足場」の二つの足場が使用されてきました。

 

かつては「丸太足場」と呼ばれる杉や檜などの丸太を鉄線で締め上げて固定する方法が使われており、伊勢神宮における「神宮式年遷宮」では、社殿を造りかえて神座を遷すために丸太足場を利用してきました。

しかし、1950年代、時代の流れとともに丸太足場は森林保護の観点から丸太木材の代わりに鋼管足場へと変遷していきます。

日本において「鉄パイプ」を組み合わせた「単管足場」が使用されたのが、東京都大手町の施工現場とされています。

この頃に「枠組足場」といって鋼管製の部材を組み合わせて構成する足場が登場します。

この枠組足場はコストが高いことからなかなか普及が進まず、主に造船所や一部の土木現場で使用されていました。

1979年に登場したのが、鋼管を一定間隔おきに結合部を備えた支柱として組み立てられる「くさび式足場」です。

ハンマー1本で組み立てることが可能ですから、低層、中層の建築物であれば人力で施工が可能なために低コスト、時短作業が実現し現在では広く普及しています。

 

■施工価格帯

足場工事の施工価格帯は、平均として600円~800円/m2といったところで推移しています。

地域や各業者によって価格帯は異なってきますが、足場組み費用の基本的な計算方法があります。

足場工事の施工価格は、足場架面積をもって足場費用を割り出していきます。

・足場架面積=建物外周+8m×建物の高さ

・足場施工費=足場架面積×平米単価(800~1,000)

建て物の高さの目安として、1階が3.5m、2階が6m、3階が8.5mです。

よって、一般的な住宅の場合は平均して15万円から20万円ほどで収まるでしょう。

述べ床面積によってだいたいの価格が出てきます。

140m2未満→10万~14万円/棟

140~150m2→約15万円/棟

150~160m2→約16万円/棟

それ以上、100m2広がるごとに約1万円ずつ増えていくといったところが目安になります。

足場施工費がいままでは平均1,200~1,400円/m2単価でしたが、最近では平均1,000円/m2以下となっていますので参考に業者と比較、交渉が有効です。

 

■国家資格

入社自体には特別資格は必要ではありませんが、

入社後に施工工程作業の経験を積み、図面や指示書を読み取る能力や専門技術を身に付けていきます。

重量のあるものを扱うために体力が必要なのと、同時にチーム作業のために協調性も求められます。

吊り足場や張出し足場、高さが5メートル以上の足場組み立てや解体作業には「足場の免許」が必要です。

足場免許保有者を各現場に配置することが法律で義務づけられています。

また、足場の組み立て等作業主任者は足場の組み立て等作業主任者技能講習を修了した者の中から、各事業者より選任され資格保有者とみなされます。

この講習は、労働安全衛生法によって定められた作業主任者、所謂国家資格のひとつであります。


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